上達の近道はココにあり! ストリングを究める

それからどうする「応用編」|2|

ストリングの性能活用について

ストリングのゲージ差は
何を変えるのか?

 テニスショップヘ行くと、同じモデルでもいくつかの太さが揃っている。太さのことを「ゲージ」といい、その数値は主にストリングの直径を示す。

 例えば「1.25」は直径が1.25㎜で、細いタイプのゲージに分類される。太いゲージは「1.30」以上で、性能的な差がある。

 まずは反発性能で、一般的にゲージが細いほど反発性能が高い。それはストリングが細いほど伸縮しやすいからで、太くなるほど伸縮が起こりにくくなる。

 また細ゲージほどインパクトでの反応が敏感で、俊敏な球離れとなり、打感はクリアになっていく。

 ここまで聞くと、細ゲージのほうがいいように思えるかもしれないが、その細さのために、耐久性が低くなる。太いほど耐久性が高く、ハードヒッターには適性が高い。また太くなるほど敏感さは少なくなるが、飛び性能は安定するメリットがある。

 もちろんゲージ差は、同じモデルの中で考えなければならない。同じゲージでも、モデルが違えば性能は違うため、「自分に適したゲージは○○」と考えるべきではなく、まずモデルを決めてから、どのゲージにするかを選ぶようにすべきである。

スピン性能は
打ち方しだい
でも回転を
増やしたいなら…

 昔から「スピンがよくかかる!」は魅惑の宣伝文句だ。しかし、どんなにそうした道具を使っても、ボールに回転をかけるスイング軌道なしでは、回転量は決して増えない。

 よく、どう見てもフラットしか打てないスイングなのに「スピンをかけたい」という人がいるが、残念ながら道具ではどうにもならないのだ。

 絶対不可欠なのは、推進力方向へのスイングではなく、上方へ振り上げるスイング軌道なのだ。ただし、その分だけ、推進力は減ることになり、打球スピードは落ちてしまうことは覚悟しなければならない。

 ただ最近は、縦ストリングが横ズレして戻るときにボールにスピンを与えることがわかり、その現象が起きやすくすることでスピン効果を上げるアイテムがある。横糸を少なくして滑り抵抗を減らしたり、ストリングの滑りをよくする塗布剤が開発されたりしているので利用してみても面白いだろう。

 ただ、十分にスピンのかかるスイングのプレーヤーには打球の出が遅くなったり、逆に持ち上がらなくなったりすることもあるので、あくまでスピンがかからなくて悩んでいるという人に向くアイテムと考えてほしい。

ポリ系は性能寿命が短い
プロの真似だけで
選ばないほうがいい!

 ポリエステル系は確かに切れにくい。それを理由にポリエステル系を選ぶプレーヤーがいるが、考え方を改めてほしい。

 単純に「切れにくいこと」を耐久性と誤解してはいけない。頻繁に張り替えられる環境になければ、ポリエステル系の良さを活用することはできないのだ。

 ポリエステル系は反発性能寿命が短く、プロ選手は頻繁に張り替えている。彼らが1セットでラケットを持ち替えるのは、ストリングの反発性能が低下するからだ。

 プロが使うのを真似して安易にポリエステル系を選ぶのはやめよう。ポリエステル系が向いているプレーヤーとは、ナイロン系では1日で切れてしまうほどだったり、超高速スイングでゴリゴリのスピンをかけるようなハードヒッターだ。

 どのタイプを選ぶにしても、自分に適したストリングが何かをよく考えてチョイスしよう。

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