上達の近道はココにあり! ストリングを究める

張り替え指定テンションと
テンション・メンテナンス

 ストリングの張り替えに出すとき、必ず聞かれるのがテンションだが、受付け時に聞かれるのは「張り上げテンション」のこと。ストリングを張るときに、マシンでどのくらいの力でストリングを引っ張りながら張るか? の数値だ。

 よく誤解されるが、「張られた状態で、ストリング面がどのくらいの硬さになっているか?」というのは、テンションではなく「面圧」という。これを「ダイナミック・テンション」と言うこともあり、張り上げ時の指定テンションとはまったく別物である。

 さて、張り上げられたストリングには常に、その1本1本に20㎏以上の力がかかり続けているため、張られているだけでストリングは伸びてしまい、伸縮性は低下。ボールを飛ばすための反発力も低下する。

 ストリングがどれくらい面圧を維持できるか? を「テンション・メンテナンス」と呼び、ストリングの性能寿命を示す。ただ、あくまで静的な面圧を計測しているだけで、反発性能に直結する「ストリングの伸縮能力」、つまり動的な伸縮性を示すものではない。ストリングが生きているかどうか? を示すものではないのだ。

 一般的に、ナチュラルガットがもっとも面圧低下しにくく、伸縮性能も維持できる。

 次いでナイロン系シンセティックの維持性能が高く、大流行のポリエステル系は、伸縮性能を蓄えていられる時間が非常に短い。一週間もたてば、張り上げ時のような反発パワーはあまり期待できないと言える。

 切れはしないが、張られているだけ……。まるで味がなくなったガムをいつまでも噛んでいるようなもので、消えてなくなることはないが、反発性能という本質は失われている残骸のようなものと考えればいい。

面圧を調べる方法はいくつかあり、ストリングの振動を計測して面圧を割り出す器機や、ストリング面に圧力をかけ、その凹み方で測ったり、ストリング面を叩いた音から面圧を推測するスマホアプリまである

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles