2018年USオープン決勝「大坂なおみ vs セレナ・ウイリアムズ」_丸山淳一コーチが戦況分析&ショット解説

戦況分析|注目点(2) 勝負の分かれ目、第2セット4-3

 もし、セレナが第2セットで審判と揉めることなく(一連の出来事の詳細は大会レポートに譲ります)、試合を進めて食らいついていったら、最終セットに持ち込んでいたかもしれません。そうなると大坂選手の“勝ちたい”という気持ちが余計に出て、110%だったものが100%以下に落ち、一方、セレナはこれまでの経験から、もう少し力を出してきて90%まで上げてくると、まだまだわからなかったと思います。

 ゲームカウント3-1でセレナはリードしていました。しかし追いつかれ、イーブンの4-3、次はセレナのサービスゲームでした。そのときセレナが審判と揉めて、結局3回目の警告を受けることになり、両者はプレーせずに1ゲームが大坂選手に与えられて5-3リードとなります。
 一番大事なところを見損なった感じです。あそこを大坂選手がどう乗り越えていくか、もっとも試される場面でしたが、彼女はポンッと1ゲームをもらうことになりました。

 ただ、そういう予想もしない出来事に対して、大坂選手は動じることもなく、調子も落とさず、疲れも見せず、動きもよかったです。勝ちびびりも見せませんでした。心からすごいことを成し遂げたと思います。

初めての決勝は想像を超えた難しい試合だったが、大坂はそれに決してのみ込まれなかった

第2セット4-3のサービスゲーム、あそこを大坂選手がどう乗り越えていくか、もっとも試される場面だった。

第2セットに入り、セレナがギアを上げ始め、チャンスをつかみかけたが、自ら手放すことに

軸足を決めて、どの方向にも打てる状態のバックハンド

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