2018年USオープン決勝「大坂なおみ vs セレナ・ウイリアムズ」_丸山淳一コーチが戦況分析&ショット解説

ショット解説|注目点(3) フィジカルとフットワークが改善

 大坂選手がナンバーワンになるには、まだ時間がかかるだろうと私は見ていました。なぜなら、彼女のテニスは、例えばダウン・ザ・ラインへのショットを勢いで打っていて、まだ頂点を取るテニスではないと思っていました。狙い澄まして打つダウン・ザ・ラインへ変えていくには、まだ時間がかかるだろうと思っていたのです。

 ところが、ここにきて彼女のテニスは変わりました。身体はフィットして、動きが素晴らしく良くなっています。短期間にこれだけレベルアップしてきたことに驚きました。

 トレーニングとボールを打つ練習を、交互に行う方法を取り入れています。そのやり方は彼女に合っているのでしょう。フットワークのトレーニングをして、ラリーをして、またフットワークを入れる。息が上がった場面でのラリーを想定した練習で、体力的にきつい場面でも安定したラリーができるようになりました。

 ランニングショットも減っていると思います。以前は走りながら一か八かで打っていたショットが、今は止まって打つ頻度が高くなりました。大坂選手が止まって打つと、相手はどこにどう打たれるかがわからなくなるため、動けません。

 コート上でのフィジカルとフットワークの向上がストロークのクオリティを一気に押し上げ、実力がついたと思います。それは根拠ある自信になります。

サイド方向に入ったサービスに対するフォアハンドリターン。フィジカルが強くなり、サイドに走ってもバランスがとれている

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