松井俊英プロが考える40代のウォーミングアップ_フィジカル・シリーズvol.07【本誌連動記事&動画】
4「刺激」と「緩み」のバランス
筋肉に刺激(負荷)と緩み(ストレッチ)を与えていく
試合や練習に向けて身体に「刺激」と「緩み」を各部位にバランスよく取り入れます。そのバランスは人それぞれですが、40代の方は特に大切な部位として「臀部」と「肩」があり、そのふたつを紹介しましょう。
臀部への刺激
メディシンボールを持ちながら、四股を踏むように柱または壁に向かい、壁にボールをぶつけ、落ちてきたところを沈み込みながらキャッチ。低い体勢をキープします。臀部にドスン、ドスンと刺激が入っていきます。
さらに負荷を
両足で5回ほど行ったら、今度は片足で。逆足は地面についても構いませんが、前足荷重で
アレーを使っての片足ジャンプ飛びも臀部への刺激に最適。スピードは必要なくリズミカルに、臀部への刺激を確かめながら交互に飛びながら前進します。
臀部への緩み
緩みというのはストレッチのような感覚です。僕の場合、臀部の緩みは適当な高さを見つけて行っています。その中でも少し変化、負荷をかけながら、上体を前に倒したりします(左)。臀部の後ろにテニスボールを置いてゴリゴリとほぐすのも、緩みのひとつ。
肩への刺激
肩へ刺激や緩みを与えるチューブトレーニングがあります。チューブはトレーニングの必需品としてテニスバッグの中に常に入れておくとベスト。何かと役立ちます。僕は強度の高い用(左)と低い用の2種類を入れています。
審判台を使って
チューブがなければ審判台を使っても刺激を入れることができます。背筋を伸ばし、真っ直ぐと手を上げ、手の平を使って審判台を「前に押して」みましょう。次に手の甲を使って「後ろに引き」、今度は小指の側から「横に押し」、最後は親指の側から「横に戻すように引き」ます。全部で4方向です。
簡単にチューブを引っ張っているだけに見えるかもしれませんが、非常に負荷がかかっています。しっかりと脇を締め、正しい姿勢で行えば、かなりの刺激=トレーニングとなります。左右30回ずつ行うと、かなり肩が熱くなるのがわかります。
肩への緩み
壁や柱を使って肩へ緩みを与えます。やや傾いた体勢から肘をつけ、ストレッチをするように押し付けていきます。
柱や壁に近づきすぎないように
コートであれば審判台に太い(負荷の少ない)チューブを巻き付け、野球の投手のようなイメージで肩をストレッチします。この刺激と緩みのバランスは人それぞれですが、40代の方は緩みのみで練習、試合に入りがちなので、しっかりと刺激も入れましょう。
40代プレーヤーは道具を味方に
年齢を重ねていけば回復力も含め、身体が衰えていくのは当たり前のことです。ただ、当たり前だと思い込みすぎるのは間違いで、トレーニング次第でその衰えはある程度、遅らせることができるのです。「もう年だから」というのは言い訳で、「もう年だけど」と自分でしっかりとトレーニングを積むのです。体が動けば技術はついてきます。
また、道具の進化に頼るのも大切です。年をとればとるほど道具に頼り、自分のプレーを助けてもらうのです。僕はまだ現役ですが、フェース面積が100平方インチのラケットを使っています。来年は厚ラケを使っているかもしれません。40代以上の方は道具を見直し、道具を味方にして戦っていくべきです。
5 神経系をウェークアップ
最後のメニューとして神経を研ぎすまし、いざ試合(練習)へ!
神経系を鍛えるメニューは多くありますが、ジャグリングもそのひとつ(①)。ボール2球を交互にバウンドさせたり(②)、遊び感覚で構いませんが、集中して行ってください。ラケットを持ってフレームでボールをついたり(③)、神経系を研ぎすまします。
グーパー体操
肩幅程度に両足を広げ、通常は両手はグー、つま先立ちになるとパーに変え、これをリズムよく繰り返します。慣れてきたらスピードアップ。グーのときにつま先を上げ、パーでつま先立ちになるなど、いろんなバージョンを交えてもOK。
ラインまたぎ
ベースライン、またはサービスラインを「1、2」のリズムで素早くまたぎます。ハードコートならキュキュッと音が小刻みに鳴るように。10回またぎを2~3回が目安です。
アップ完了!
戦いが始まる
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