レシーブ力を下げるサービスのバラエティと騙し
8|レシーブ力を下げるサービス
忘れてはならないアンダーサービス
最後に言っておかなければならないのがアンダーハンドサービスだ。これはずるくも、非道でも、不快でも、ルール違反でも、スポーツマンシップに反するわけでもない。実際、このサービスはある状況においては、戦術的に賢く、恐ろしく効果的に使えることもある。
1989年のフレンチ・オープン4回戦でマイケル・チャン(アメリカ)がイワン・レンドル(アメリカ)を倒した大番狂わせがある。チャンはその試合で非常に重要なポイントを取るため、素晴らしいタイミングでそれを使った。そのほかには2017年のブラジル・オープン決勝で、3度のチャンピオンシップポイントを逃し、12度もダブルフォールトをおかしてナーバスになっていたパブロ・クエバスが、アンダーハンドのセカンドサービスを打ちアルベルト・ラモス ビノラスから6-7(3) 6-4 6-4の逆転勝利で優勝をもぎ取った。この正攻法とは言えない方法についてクエバスは、「たぶん、あまりやらないほうがいいプレーなのかもしれない。でも、もうひとつダブルフォールトをおかすのはもっとやってはならないことだった」と振り返った。
本番で試す前に、いろいろな種類のアンダーサービスを練習するべきだろう。もっとも多く使われるアンダーサービスには、物凄い量のアンダースピンがかかっている。成功させるには、ネットから1.5m以内に落として、真上、あるいは後ろに弾むくらいがいいだろう。右利きがアドコートに打つ場合は、なるべくサイドスピンをかけてアレーのほうに弾むように打つべきだ。デュースコートに打つ場合は、スピードのあるサイドスピンのかかったアンダーサービスが、アレーの方向から中に食い込んで、非常に返しにくいボディサービスになる。
これらの戦術は風下のとき、レシーバーがベースラインのかなり後方に構えているとき、また相手にスピード、アジリティ(敏捷性)、拾うための技術がないときに、もっとも有効だ。
信じられないかもしれないが、トップスピンのアンダーサービスもありだ。右利きがデュースコートのワイドに深く打てば、特に効果的だ。自分の腕が痛んでいたり、疲れ果てているときは、試してみる価値あり!
ブラッドリー・マウセイ(オーストラリア)、今年のオーストラリアン・オープン予選で腕のケガをしてアンダーサービスを打った
2017年ブラジル・オープン決勝でアンダーサービスを打ったパブロ・クエバス(写真のショットはイメージ)
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