レシーブ力を下げるサービスのバラエティと騙し

セカンドサービスを時速133㎞から207㎞の間で打って、ジョコビッチを破ったキリオス

ニック・キリオス

2017年インディアンウェルズの対ジョコビッチ戦で、キリオスは23度サービスゲームをプレーし、そのうちジョコビッチに与えたブレークポイントはたった一度だった

世界有数の名レシーバーであるジョコビッチも、キリオスのサービスに手を焼き2連敗

7レシーブ力を下げるサービス
セカンドサービスに変化をつける

 一般的に全サービスのうちの35~40%を占めるセカンドサービスに変化をつけるのは、ファーストサービスに変化を加えるのと同じくらい重要なことだ。試合スタッツの中でもっとも結果に直結するスタッツのひとつが、「セカンドサービスのポイント獲得率」である。多くの試合でセカンドサービスの質が、この数字を決めることになる。そしてバラエティが豊富なことが、この数字を上げることにつながるのだ。

 セカンドサービスは、プラスにも、ニュートラルにもマイナスにもなる可能性がある。現在、テニスの長い歴史の中で、選手のリターン技術がかつてないほど高まっており、すべてのレベルの選手にとってセカンドサービスを磨くことは欠かせないこととなっている。最低でも(セカンドサービスを)アタックできないものにしなければならない。最高レベルまで磨き上げれば、自分の武器庫の中で新たな武器にもなりえるのだ。

 2017年、アカプルコとインディアンウェルズでニック・キリオスがノバク・ジョコビッチを倒したとき、62%というセカンドサービスのポイント獲得率を記録し、23度のサービスゲームでたった一度しかブレークポイントに直面しなかった。スマートで予想のつかないことをするキリオスは、セカンドサービスの速度を時速133㎞から207㎞の間で打ったのだ。時には、ジョコビッチのファーストサービスよりも速いスピードでセカンドサービスを打ったことになる。

 キックサービスは、セカンドサービスの選択肢の中にあれば、かなり有効になるのでマスターしたほうがいいだろう。パワー、スピン、プレースメントを変えれば、相手に自信をもって綺麗にリターンされることはないだろう。キックサービスにスライスを加えれば、さらに効果は増すはずだ。右利きのサーバーはよく曲がり、高く弾むセカンドのキックサービスをワイドに打って、レシーバーのリターンを弱めてミスを引き起こすことさえもできるだろう。

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