ルイ・カイエ_最新ダブルス入門_vol.02「ボレーをバージョンアップしよう!」_初心者から国際レベルのプレーヤーまで、同じアプローチで上達できる!
ボレーの技術②
「ラケットを振ってはいけない」と言われても振ってしまうプレーヤーへ
大振りの問題を解決する方法「これをやってください!」
ボールに触ったら入れるがテニスの鉄則
これは世界共通のテニスの鉄則だと思ってください。
「ボールに触ったら入れろ」
ボールに触ったらミスをせず、できる限りプレースメントをする(ボールを打ち分ける)ことを心がけることです。ボールにやっと手が届いたという状況で、速くて低いボールを打って時間を失くしたり、コントロールを失ったり、体勢を崩してリカバリーできなかったりするのではなく、多少ボールが遅くてもミスをせずにコントロールをしたほうが次のプレーにつながります。
ダブルスのスペシャリストになりたかったら、私は「グッドハンド」を手に入れてほしいと思っています。「ハンドアイコーディネーション練習」での「手を使ったボレー」もその一つ。まずは相手コートにボールを返すことが大切です。このページでも、さらに手の動作を練習していきましょう。今後は「スマッシュ」や「ランニングフォアハンド」などでも相手コートにボールを返す大切さを紹介する予定です。
「触ったら入れる」ための手の動作を練習する
ボレーのミスが多いプレーヤーに対して「テークバックをしてはいけない」「フォロースルーをしてはいけない」とアドバイスをしても、なかなかうまくいきません。そこで「してはいけない」というアドバイスはせず、「これをしてください」とアドバイスをしていく方法を紹介します。私の経験では98%の確率で問題が解決します!
練習方法
ネットを挟んで球出し役とボレーヤーに分かれます。球出し役はプレーヤーのレベルによって立つポジションを調整しますが、ここではサービスラインとベースラインの中間に立ち、そこから速いボール(もちろん練習者のレベルに合わせて調整が必要です)を球出ししてください。ボレーヤーはネットにタッチできるくらい近づいたところから練習開始です。
Step 1 ネットにベタ詰めしてラケットのエッジでネットタッチ
ボレーヤーは足を使いません。そして球出しされる前に打球面(ここではフォアボレー)をわずかに上向かせてボールを待ちます。球出し役はボールを出しますが、このボールは必ずネットにかけてください。一方のボレーヤーは球出しのボールを打つタイミングを計り、ラケットのエッジでネットタッチします。
Step 2 足を動かさずに実際にボールを打つ
次にボレーヤーはStep1の動作を行い、球出しのボールを実際に打ちます。まだ足は使いません。
Step 3 一歩踏み込んでボールを打つ
Step2の続きで、今度は一歩踏み込んでボールを打ちます。
Step 4 構えから始める
レディポジションからStep3を行います。ここで行っていることは、「ハンドアイコーディネーション練習」で行った“ジャブ”ボレーでもあります。「触ったら入れる」ことです。速いボールに対しては、ミスをすることはあっても遅れることはないように前でさばくように練習してください。
別の方法
ラケットヘッドとネットを紐で結び、前に手を出すしかない状況をつくるという方法もある
こういう練習方法もあります。Step1のときにラケットヘッドとネットを紐で結びつけます。そうするとラケットが後ろにいかない状況=ラケットが前にある状況をつくることができます。この状況でボールを打つと前でさばくことができます。本当の準備とは、ラケット面をつくることではなく、足で前に行き、手を出すことです。
別の方法
前に行くしかない状況をつくるとうまくなる!
このように「テークバックをしてはいけない」と言うよりも、〈前に行くしかない状況をつくる〉ほうがプレーヤーは理解できます。
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