ジーン・メイヤーのジオメトリー・テニス_vol.01_プレースメントの重要性

Q1|ビリヤードで何を学びましたか?
A|私がやったすべては角度(アングル)と幾何学(ジオメトリー)に関係していました。
ポール アメリカで頭角を現す前には1938年欧州ダブルス・チャンピオンで、ハンガリーですぐれたコーチだったあなたの父アレックスは、英語を学ぶ目的でヨーロピアン・ビリヤードのプレーの仕方をあなたとあなたの兄サンディに教えました。イギリスのビリヤードについて学んだことを、1970年代と80年代にどのようにあなた方のテニスに応用したのでしょうか?
メイヤー 基本的に私がやったすべては角度(アングル)と幾何学(ジオメトリー)に関係していました。私は、ボールを非常に強く打つことはしておらず、私の対戦相手たちは通常は、私よりも強くボールを打っていました。私の最大の強みは、コートのあらゆる場所をうまく使えることだったのです。
私は、相手をコートの右、左、上、下、前、後ろと、あらゆる方向へ動かす能力を持っていたのです。
父が私を教え始めたとき、私はすごく若かったのですが、当時の私のテニスというゲームの認識は、ある特有の優位なポジションに徐々に至るための、段階を負った動きによるチェスのようなものでした。歯を食いしばって打ちまくり、ビヨン・ボルグのように多くのボールを打ち返していく戦士風のスタイルではありませんでしたね。

ビリヤード(イメージ)
Q2|チェスのようなプレーをどうやって導入したのですか?
A|トップスピンを相手のバックハンド側へ、重いボールで相手を後方へ動かしました。
ポール あなたはフォアもバックも両手打ちでしたが、特にそのチェスのようなアプローチを、どのようにしてそれらのショットに適用していったのですか?
メイヤー 私のバックハンドは、両手をクロスさせてグリップを握るスタイルだったので、両手をクロスしないでグリップを握るフォアハンドのほうがより自然ですぐれていました。
私は攻撃するチャンスをつかむため、トップスピンを相手のバックハンド側に打ち込み、それから、相手を左から右へと動かすことによってコートを広く使ったのです。また重いボールを打つことによって、相手に後ろへ下がることを強いてディフェンスに回るように仕向けていました。これが、私が多くのドロップショットを使う 機会を生み出してもいたのです。

チェス(オーストラリアン・オープン会場にて)

両サイド両手打ちのメイヤー。写真はフォアハンド

バックハンド側に走らせて、フォア側へ(①→②)。深く重いボールを打って、浅くドロップショットを打つ(③→④)
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