多機能型フォアハンドを身につける“実践編”(記事)



ポイント3|ボールをより正確に 広角に打てる

「狙う場所に正確に前を向いて インパクトできるため、 体重を打球方向に乗せられます」

 多機能型フォアを覚えると、より広角に、よりクオリティーが高く正確なボールを打つことができます。

 従来型フォアはストレートとクロスに正確に打ち分けることができません。また、動かされたときはクロスが打ちにくくなります。従来型フォアはそれぞれ体の向きを変えなければならず、多くの場合、クロスがあまりうまくありません。

 傾向として、❶右足のつま先を横に向けて、❷骨盤を深くひねってテークバックをするために、❸左足を踏み込むとクローズドスタンスになって骨盤が横を向きます。打球したいクロス方向と骨盤の向きが違うため、クロスに打つためにはそこから大きく体を回すか、リストを使ってボールをコントロールするしかないのです。体重が打球方向(クロス)にうまく乗らず、正確性、スイング速度、パワーが劣ります。


従来型は、骨盤を深くひねり込み過ぎてクローズドスタンスになると、テークバックしたラケットが打点から遠くなり、打球方向の直線上にないため、コースを狙うことが難しい。クローズドスタンスでは骨盤の動きが制限され、打ち出す方向が限定される(クロスが打ちにくい)。体重も打球したい方向に乗らない(違う方向に流れてしまう)

 一方、多機能型フォアでは骨盤の向きと胸椎の向きがセットで、クロスにもストレートにも完璧に前に向けた状態がつくれます。狙った方向に正確に前を向いてインパクトできるため、体重を打球方向に乗せられます。そうするとボールの正確性、パワー、クオリティーとすべてが手に入ります。





「打球方向に対してラケットを 直線上にセットできるため正確性が増します」

 多機能型フォアのポイントは右足のつま先の向きにあります。右足のつま先を前向き、もしくは斜め前向きに、ボールに近いところにつき、左足はローテーションのじゃまにならないようにします。そこからローテーションを戻して、骨盤と胸椎を打球したい方向に対して前に向けます。(右ページの写真を見てわかるように)打球方向に対してラケットを直線上にセットできるのが強みです。

ポイント4|少ないエネルギーで パワーを生み出せる(エコ)

「胸椎の回旋を使うことで前方で リストラグが起き、スイング速度を 上げられるのに加え、 体重を打球方向に乗せられます」

 多機能型フォアを覚えると、少ない力で効率よくパワーを生むことができます。その理由は、胸椎の回旋と骨盤の向きにあります。

 多機能型フォアはボールを打つときに、完全に前を向いてラケットをボールに当てることができるので、手首に角度ができます。胸椎をローテーションしたときにラケットが打点から近いところにあり、そこから振り出す(蹴り出す)と手首に角度ができる場所があります。それをリストラグと呼びますが、重心の前でリストラグが起こると前方でラケットを速く振ることができます。

 この打法を身につけると下半身の力をそれほど使わなくても、胸椎の回旋とともに腕を脱力させてリストラグを生み出すことで、効率よくエネルギーを生み出すことができます。





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