WIMBLEDON LEGEND STORY〜伊達公子スペシャルインタビュー〜

初めてのセンターコート
最後と決めた96年のウインブルドンは、もちろんその年の大きな目標でした。それでも調子がすごく良かったわけではないですし、フェドカップで痛めた足の心配もあった。セミファイナルまでいけるということはまったくイメージできていませんでした。
それでも当時はグランドスラムで2週目に残るのは当たり前に見られていたし、自分でも2週目というものをイメージしながら戦っていました。1週目にいかに体力を温存して、一番力を出したいときに良い状態でコートに立つことができるか。そこにフォーカスしていたので、1回戦から準々決勝までずっと1セットダウンからの逆転という勝ち上がりでしたが、1週目に関しては「フルに力を出し切らなくても何とかなるかな」という感じで。だからといってファーストセットを油断していたわけではないのですが、ギアを上げ切らずにトータルで無理なく勝ち上がることができた、という感覚ではありました。

準々決勝のピアース戦で初めてウインブルドンのセンターコートに立つことができた
メアリー・ピアースとの準々決勝で、初めてウインブルドンのセンターコートに立つことができました。しかも思い描いていたとおり、自分の力でもぎ取る形で。この年にセンターコートに入れなかったら、もう立つことなく終わるという状態だったので、センターコートへのこだわりはほかのどのグランドスラムより強かったですし、実際に立つことができて、思いは大きくふくらんでいきましたね。
シュテフィ・グラフとの準決勝では、やはり4月のフェドカップでの対戦からつながっているという感覚はありました。有明のハードコートで、ファイナル12-10というスコアで初めてグラフに勝つことができましたが、果たして芝のウインブルドンの準決勝という舞台で、フェドのときと同じような内容の試合ができるのか。
ただ、ピアース戦で一度センターコートの雰囲気を経験できていたことは大きかったと思います。緊張していなかった、というとウソになりますが、緊張をコントロールできる範囲でプレーすることはできていました。初めてのセンターコートが準決勝のグラフ戦となったら、そうはいかなかったでしょう。それにもともと私は、チャレンジャー精神ではないですが、格上の選手と戦うほうが精神的にやりやすかった。やっぱり負けられないと思う相手のほうが戦いづらかったですから。
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