「戦術家」になるためのスマートショットセレクション 6つのカギ

写真◎Getty Images


 あなたが週末プレーヤーだろうと、大会で頂点を目指す選手だろうと、 「正しいタイミング」で「正しいショット」を打つことで、 あなたのテニスは見違えるようになり、より多くの勝利へとつながっていく。 ショットセレクションを向上させて、 より賢い「戦術家」になるための6つのアドバイスを、アメリカのジャーナリストであり、コーチの顔も持つポール・ファインがお届けする。(2021年5月号掲載記事)

解説◎ポール・ファイン 写真◎BBM、Getty Images 翻訳◎池田晋

KEY1 己のプレーを知る

あなたはフェデラーではない。プレーすべきスタイルでプレーしよう

 ロジャー・フェデラーほどの才能に恵まれていない限り、練習本に書かれたすべてのショットを使いこなすのはほぼ不可能でしょう。ドロップボレー、トップスピンロブが自分のレパートリーになかったとしても、その事実を受け入れなければなりません。これらの難しいショットをマスターするまで、あるいは少なくともかなり練習して上達するまでは、試合では試さないことです。

 同様に、例えば相手のストロークのパワーを吸収して、コースを変えて打ち返すことができるなら、すなわち3度のグランドスラム優勝を誇るアンジェリック・ケルバーのように、器用で、クロスに打たれたショットをダウン・ザ・ラインに返球することができるなら、どんどん打つべきでしょう。 しかし、もしその技術を持っておらず、ボールをダウン・ザ・ラインへ打つためのスペースと時間が十分にはないならば、クロスに打たれたボールはクロスへ打ち返すべきです。

 自分のプレーについて効果的ではない、あるいは少なくともまだ完成していないという事実を認めましょう。練習パートナーと1、2セットプレーしてみて、自分のプレーでもっとも効果的、また、あまり効果的でなかったと相手が思うプレーを教えてもらいましょう。

 あなたのショットについて練習パートナーがくれるアドバイスと情報は、試合でプレーするときのショットセレクションにおいてかけがえのない価値あるものになるはずです。

 アメリカの元デビスカップ代表選手、ウェイン・サビンの戦術的アドバイスを常に頭の中に入れておくべきです。

「あまりに多くの選手が、テニスを自分の頭の中の理想どおりにプレーしようとし過ぎている。そうではなく、プレーすべきスタイルでプレーすべきなんだ」





残念ながらあなたはフェデラーではない。あなたが持っている技術で戦わなければいけない



あなたは本当にケルバーのように、絶妙なタイミングで ダウン・ザ・ラインへ切り返していく技術を備えているだろうか


クロスボールへの対応


確かにクロスのボールをダウン・ザ・ラインに切り返すことができればラリーの主導権を奪えるかもしれない。しかし、その技術が身についていない、完成されていないならば、クロスのボールはクロスに返すことがラリーを組み立てるベースとなる


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