「戦術家」になるためのスマートショットセレクション 6つのカギ

写真◎Getty Images


KEY6 その日のコンディションを知る

コンディションに 合わせて、ミスを避ける 「正しい選択」を

 インドアコートでプレーしない限り、プレーするコンディションは日によって大きく変わる可能性があります。いろいろなことが起こり得るため、コンディションがショットセレクションに大きく影響します。

 もっとも影響が大きいのが風と太陽です。まず、風向きとその強さを把握して、自分の一番得意なショット、一番苦手なショットにどう影響するかを評価しましょう。

 例えば、比較的フラットにストロークを打つタイプなら、追い風のときは普段よりも距離の長いクロスを狙い、ボールが伸びてベースラインを越えてしまわないように注意するべきです。逆に向かい風のときなら、普段よりも大きなパワーで打つか、普段よりネットの上を高く越えるように打つことで、ショットが浅くなったり、弱くなったりすることを避けるべきです。

 太陽が主に影響するのはサービスとオーバーヘッドを打つときで、太陽が低くなったときはハイボレーにも影響します。試合会場の緯度と季節によっては、20分以上も太陽が目に入る状態で打ち続けなければならない可能性もあります。

 普段とトスを変える(たいていは低くする)ことで、ボールが太陽と被るのを防ぎましょう。サービスの一貫性やクオリティーを著しく下げる必要はありません。サングラスをかけたり、キャップのつばを下げることも効果的です。もし相手がロブを打ったときに太陽が目に入るなら、ワンバウンドさせてグラウンドスマッシュで打つことです。相手にリカバーする時間を多く与えてしまいますが、自分がミスをするより断然、賢い選択です。

 コートサーフェスは戦術を組み立てる上で、非常に重要なポイントになっていきます。

❶一般的に速いサーフェスではより強く打つほうが有利で、逆もまたしかりです。

❷クレーコートではトップスピンが大きなプラスになります。バウンドが高くなり、ネット上の通過点が高くなれば、長いラリーで重要になる一貫性を高めることができます。

❸サーフェスの摩擦の大きさは、特に遅いハードコートで影響しやすく、45分間でボールが毛羽立ち、遅くなってしまいます。相手のショットが突然弱くなったらアタックする準備をしておくことです。逆に自分のショットが弱くならないように強く打ち、簡単に打ち込まれないようにするのです。

   ◇   ◇   ◇

 フランスのレジェンド、アンリ・コシェは1937年に『ローンテニスの戦い方』という著書の中で、「戦前に弱いと見られていた選手が、前評判の高い選手を倒す場面を何度見てきたことか! それが起きるのは、弱いほうがより頭脳的で、より細部にこだわっているからだ」と記しています。

 果たして、あなたのショットセレクションはどうなのでしょうか。


 太陽、風、サーフェス ── 状況にアジャストしてプレーする


どの方向からどの方向へ風が吹いているかによってショットセレクションは変わる



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