デイビス&フルーリアン_選手の性格タイプを理解することの重要性〜第32回(2018年)TTCスポーツ科学セミナーvol.01

まず自分がどのようなコーチか理解しよう

 自分の教える選手のタイプを理解する前に、まずは自分がどういうタイプか理解することも必要でしょう。私は、指導者というのは2つのタイプに分けられると考えています。大きく分けると「先生タイプ」と「絵描きタイプ」。

 先生タイプというのは、基本や正しいテクニック、正しくボールを打つということを細かく説明するタイプの指導者です。環境を整え、ゲームとはどういうものなのかということを、事細かに説明できるのが、この先生タイプです。先生タイプは、粘り強く正しい基本を教えていくという意味で、忍耐力が必要になります。私は、このタイプに忍耐力が必要とわかった瞬間に、自分がこのタイプではないことを理解しました(笑)。

 私は、どちらかといえばもう一方の、プレーヤーをキャンバスに見立て、絵を描いていく絵描きタイプかなと思っています。このキャンバスに「こうした絵を描けるんじゃないか」と絵描きが頭の中でイメージするように、選手に対して、「こうしたプレーが彼を輝かせるんじゃないか」とイメージし、それを実行に移せるようにコーチングする。もちろん、そうした絵描きタイプにも、さまざまなタイプがいて、中には、キャンバス(=選手)にとって、あまり適していない人(=コーチ)がペイントすることもあるわけです。

 トッププレーヤーのコーチも、同様でしょう。長年ラファエル・ナダルのコーチを務めたトニー・ナダルは、「自分のやり方は、フェデラーには合わなかっただろう」と自分自身で言っています。

 まずは自分がどういったタイプなのかを考えてみることも、コーチングをする上で一つの助けになるかもしれません。

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