デイビス&フルーリアン_選手の性格タイプを理解することの重要性〜第32回(2018年)TTCスポーツ科学セミナーvol.01

選手にとって重要なことは自分を理解してくれているか

 選手を実際に手助けする前に、まずは自分のコーチとしての哲学を確立させる必要があると思っている方も多いでしょう。コーチの中には、まだ経験などの理由で、自分なりのコーチ哲学を持っていない方もいらっしゃるかもしれません。

 ただ、実際のところ、選手は「あなたがコーチとしてどんな理論を持っているか」など気にしていません。それよりも気にしているのは、あなたがコーチとして自分のことを見てくれているかどうか。そこに重きをおいています。私たちにとって真に大事なのは、選手のことを理解しているかどうかなのです。

(下記に資料あり)資料1 は「選手の性格」を簡単に4つに分類したものです。私はこれを、選手の個別評価の一つの要素として役立てています( 資料2 3 に続く)。 

 どの選手もみんなが同じものを食べたがるわけではないように、すべての選手が同じ練習をしたがるわけではありません。以前の私は、どんな選手にも同じ練習メニューをやらせていました。どの子供にも同じ食べ物を与えていたようなものです。でも、彼らが食べたがっているものはそれぞれ違っていました。彼らがやりたいこと、さらには必要なものは違っていて、それぞれに必要なものを与えなければならないのです。

 たいてい選手はミニテニスや、ゲーム、ポイント形式といった練習を好みます。これは食事にたとえれば、子供がほしがるスイーツのようなもの。もちろん、選手によっては、甘いものはいらないから、体にいいものだけを食べたいという選手もいるでしょう。やりたいことと、必要なこと。今日では、このバランスをうまくとりながら練習メニューを組むのがコーチの大きな役割になるのです。

 基本的なことですが、それぞれの選手のタイプをしっかり理解することで、選手は「自分を見てくれている」と安心し、それは相互の信頼関係を築く第一歩になります。

選手がやりたいこと、必要なことは違う。それぞれに必要なものを与えなければならない。

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