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柏井正樹_錦織圭のジュニア時代を振り返って〜【テニスマガジン2008年9月号掲載記事】
技術面でよく聞かれる質問（1）「フォア＆バックのグリップ」
——現在の大きな武器でもあるフォアハンドですが、かつて個性的すぎる（グリップが厚すぎる）といったことを言われたようですね。
柏井 これは先ほどの話につながりますが、この場面ではこのボールがいるということが常に先なんです。彼のフォアハンドは、ここに打つと見せかけておいてここに打つことができる、つまり相手にわからないように打つことができる技術なので、グリップも打ち方も僕は問題はないと思っていました。よくほかの人から、あの子のグリップ厚いよねって言われたりもしましたが、僕は一蹴していました。
結局、厚いグリップであっても、相手にドロップショットを打たれた瞬間にパッとグリップを薄く変えてスライスが打てるのであれば、どんなグリップで打っていても僕は問題ないと思います。ただし、ボレーとサービスについては、コンチネンタルグリップでなければいけないと言ってきました。
——バックハンドのグリップもいろいろコメントされるようですね。
柏井 右手がフォアハンド・セミウエスタングリップで、コンチネンタルグリップまで変えていないので、ラケット面が上向きになりやすいんです（いわゆる右手が薄いグリップ／当時）。でも、一方でラケットヘッドを立てて使えるために、アングルに厚いあたりが打てます。右手のグリップが薄いと、回転量を少なく抑えて打てるということが言えるんです。両手のトップスピンで攻撃していて、両手で届かないときに片手のスライスを使って返球するとしても、特に問題はありませんでした。
遠いボールに対してグリップを薄く握り変えて対応している錦織
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