柏井正樹_錦織圭のジュニア時代を振り返って〜【テニスマガジン2008年9月号掲載記事】

技術面でよく聞かれる質問(2)「サービス」

——サービスとスマッシュはだいぶ武器になってきたところです。

柏井 サービスはケイが12歳のとき、まだ世に出る前ですが、力強さがない時期にいろいろ修正するのは早いかなと思っていました。僕自身は14歳になってからでもどのようにも変えられると思っていました。ただし、回転がかけられるようになることは必要だと思ったので、フラットで打つことができ、スライス、スピンと回転を打ち分けるように指導していました。

 ところが動作の中で肘が下がるという特徴があって、これは修造チャレンジでもどこでも言われ、ボブ・ブレット・コーチ(修造チャレンジ)にも指摘され、アメリカのボロテリー・テニス・アカデミーに行ってからも指摘されて、バックスイングなしに練習したり…いろいろなことをしなければいけなくさせてしまったのは僕の責任かもしれないです。

 ただ…テニスの基本というのは次第に変わっていくもので、今は体の使い方を強調して言うようになりましたが、僕は当時、それを専門的に勉強していませんでした。今でこそJTAスタッフやトレーナーと接し、肩関節の稼動域や股関節の使い方などを勉強しながら指導するようになりましたが、それを始めたのが、ちょうどケイがアメリカに行くタイミングだったんです。

——結果的に現在、大きな問題になっていないのかなと思いますが。

柏井 ケイ自身も努力していました。お父さんとグローブを使ってキャッチボールをしたり、そういう補助的な練習をしていたと聞いています。レッスン時間にはなかなかできないことでしたから。一方で僕は、サービス動作の基本としてフラットと、相手にわからないようにスピンをかけてタイミングをずらしたり、はねるスピンとはねないスピンを打ったりということに取り組みました。それらはやがて、ある程度スイングスピードが出てきたときに、ボール変化が明らかになるだろうと思っていました。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles