プレーヤーが起こしがちな4つの判断ミス(ボールジャッジミス)

イラスト◎サキ大地

ボールの飛距離の判断を間違えると、それはミスに直結してしまう。その能力は実力者ほど高く、初心者にとっては難しく、トライ&エラー、経験によって向上していくものだ。ここでは飛んでくるボールに対する判断(ジャッジ)の基礎知識と、落とし穴=気をつけるべき点をお伝えしておこう。(テニスマガジン2020年7月号掲載記事) 文◎ポール・ファイン 構成◎編集部 写真◎毛受亮介、Getty Images イラスト◎サキ大地

 人間の脳は球技において、素晴らしい“コンピューター”として働きます。脳は瞬時にボールの速さ、スピン、軌道、風の影響を計算できるからこそ、野球の外野手はフェンス際で思いきり高くジャンプして、スーパーキャッチを実現でき、テニスプレーヤーはギリギリで何とか追いついたボールを見事なパッシングショットで返すことができます。

 ボールの飛距離を判断するのは、偉大なプレーヤーやテクニックにすぐれたベテランにとってはごく当たり前の能力ですが、テニスの初心者や中級レベルのプレーヤーを困惑させるものです。トライ&エラー、そして経験が大きな助けになりますが、その能力を身につけるには、落とし穴に気をつけて、用心深くなることでスキルアップを早めることができます。  ここに気をつけるべきポイントを挙げましょう。

判断ミス1|自分に向かってくるボールに対するポジショニングのミス




 一般プレーヤーがもっとも起こしやすい判断ミスは、向かってくるボールに近づきすぎてしまうことです。その望ましくないことの結果は、スイートスポットを大きく外れた当たりとなるか、ひどく窮屈なスイングに終わるはずです。

 コート中央へのボール、言い換えると自分に向かってくるボールというのは見かけによらず、常に準備をしておかなければならない“落とし穴”のようなものです。プロでさえも、その状況ではミスをおかしてしまうことがあります。ただ、彼らは一般プレーヤーに比べて、反応するための時間が非常に短いことは確かです。ノバク・ジョコビッチのサービスに対するパワフルなリターンは、よくベースライン中央付近の深い位置に返され、最大のライバルであるロジャー・フェデラーやラファエル・ナダルはサービスを打ってフォロースルーを終えたばかりのときに、このボールに直面し、動きを封じられてしまうのです。

 これに対する対処法はどのレベルにおいても同じです。素早くコート中央から動いてズレて、腕とラケットを伸ばしてしっかりボールを打てるだけの“スペース”を確保することにあります。さもないと、体のバランスを崩してうまくスイングができず、弱いショットかミスをする確率が高くなるのです。

 ボールジャッジを鍛える練習方法をひとつ紹介しましょう。ボールを体の正面にワンバウンドさせます。ツーバウンドする前に素早く体を横にずらして、腕を伸ばした状態でしっかりボールをとらえて打っていきます。窮屈なスイングにならないように調整する練習です。

 私はこの練習をビギナーの子供たちによくやらせています。ハンド・アイ・コーディネーション(手と目の協調)に加え、ラケットの長さの感覚をつかみ、ボールからどの程度、自分が離れれば、スイートスポットでボールをとらえられるかという感覚を身につけるのに役立ちます。













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