誰でも取り入れられる「具体的なアドバイスをしよう!」バランス指導のスペシャリスト、マーティ・スミス PART2



Q オンコートの練習メニューを教えてください。

A “ルース・ハット・ゲーム”と“カップ・オブ・ウォーター・ミニテニス”を紹介しましょう。

――バランスをよくするためのオンコートの練習メニューは何ですか?

スミス 私がよく指導で用いている大好きな練習を2つ紹介しましょう。

練習1|ルース・ハット・ゲーム

 ひとつ目は、ルース・ハット・ゲーム(緩い帽子のゲーム)です。顔を上げて頭を正しい位置で固定させることを意識します。バランスを保つために非常に重要なポイントです。


帽子を緩く被ってラリーをしよう


 ラリーをする2人の選手は、被っている帽子を少しだけ緩めてください。2人はベースラインに立ち、ダブルスのハーフコートを使い、クロス限定で打ち合います。1人の帽子が落ちて、さらにポイントも落とすと、相手には2ポイント入ります。もし2人とも帽子を落としたら、ラリーを制したほうに3ポイント入ります。このルールによってゲームはかなり盛り上がりますよ。先に21ポイントを獲得したほうが勝ちです。ルース・ハット・ゲームはダブルスでも楽しめます。

 この練習はバランスを強調するだけでなく、相手からなるべく遠くにボールを打って、相手を動かすというトレーニングにもなります。一般プレーヤーのショットディシジョン(決断)で、重要なのに見過ごされがちなポイントに着目したメニューです。

練習2|カップ・オブ・ウォーター・ミニテニス

 2つ目の練習はカップ・オブ・ウォーター・ミニテニス(1杯の水を持ってミニテニス)です。2人の選手はそれぞれ片手にほぼ満杯のコップを持ちながらミニテニスをします。水をこぼさないようにバランスを保ちながらプレーすることがポイントです。もし水をこぼした選手がポイントを失ったら、相手に2ポイント。2人とも水をこぼしたら、ラリーを制した側に3ポイント入ります。

 ここで取り上げたいのがフリーズ・テクニックで、自分のバランスに着目できるオンコートのメニューです。練習パートナーと打ち合っているときに、たまにフォロースルーのあとに体をフリーズさせて、自分のバランスをチェックしてみましょう。もしバランスがよければ、心地よく安定しているのを感じられるでしょう。



練習3|そのほかのバランストレーニング

 スパイダーラン(センターマークを起点にコート内8つの角に往復ダッシュ)、コーンを使ったスラロームのステップ、コートのラインの角をラケットでタッチして戻る(ラケットタッチなど、反復ダッシュは体のコントロール、ストップして素早くリカバリーする練習になります)、などの方向転換をより速く行うオンコートの練習は、どんなものでもバランスを良くする助けになります。速く動ければ動けるほど、自分のステップを調整して、ボールに対して正しい距離感を確保して、スイングのために体を安定させることができます。


コーンを使ってスラロームのステップ(くねくねと進む)、方向転換を素早く行う。写真はダニール・メドベージェフ

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