ショーンボーン博士のテニスゼミナール〜「今回のテーマは〈ビッグポイントとは?〉」
ビッグポイントを考える 8
試合の逆転展開は、あるポイントに依存しているわけではない比較的長いプロセスを踏む
二人のように、〈ビッグポイント〉は試合のターニングポイントであると私は言いたくありません。試合の逆転展開が、あるポイントの獲得または損失に依存していないことは、すでに説明しましたし、実際が示すとおりです。それは通常、互いに連なるいくつかのポイント(連続ポイント)によってターン(逆転)がもたらされる、比較的長いプロセスです。
私の見解のベースは、長い時間をかけた豊富な統計と公的な統計の比較に基づいて解釈した、証明可能な理論です。
ですから私はたった一つの試合、ジョコビッチ対ベルダスコ戦から幅広い論拠を陳述しようとはしませんし、そもそも無理です。数百試合を基礎に据えなければなりません。そうした基礎データが、容認され得る「傾向」を示してくれます。ちなみに、広範な分析をしたあとで間違って解釈することのほうが難しいと思いますが、いかがでしょうか?
先の二人はセットポイントを強調していますが、あるポイントを切り取ることはゲーム経過との関連を軽視していて、それで分析することは不可能です。セットポイントに至るまでに何か生じているはずです。それは、選手がセットを失うかもしれないという脅威にさらされるような、それまでのいくつかのポイント経過を重視することが必要となります。こうした各ポイントの損失がセットポイントをもたらすことになるからです。
この点は、世界中どの選手も考えていることです。ほかの言葉で言うと、実際にはコーチの多くが、このような一連するポイントのことを〈ビッグポイント〉と表現しているはずです。そうなると、試合はもっぱら〈ビッグポイント〉で構成されていると言ってもよいかもしれません。
単一ポイントではなく互いに連なるいくつかの連続ポイントが逆転をもたらすのだ
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