レベルアップの必須能力「テニスのスピード」前編「テニスの動きのセオリーを学ぶ」
Topic3
非常に重要なフット・アイ・コーディネーション(足と目の協調性)
テニスのプレーの順番
❶頭脳と目
❷足
❸手
選手は最初に、❶頭脳と目を働かせ、次に❷足、そして最後に手を動かす。つまり、選手は手を使ってボールを打つ前に、足を使って動かなければいけないのだ
足はハンド・アイ・コーディネーション (手と目の協調性)より大事?
――ESPNの解説者で、コーチとしても高い評価を得ているダレン・ケーヒルは、「高いレベルで守備的なテニスをできなければ、生き残ることはできない」と主張しています。もし、現在の男女のツアー選手たちがこれまでよりも強くボールを打つようになれば、ますますパワフルになるショットに追いついてリターンするために、現在よりさらに速く動けなければならないということになりませんか?
大地 ケーヒルの意見に同意します。そして、あなたも正しいです。これらのツアー選手たちはアスリートとしての能力が上がっているから、より強いボールを打つのです。それと、ギアの進化も見逃せません。ラケット、ストリング、シューズが良くなっている影響もあります。だから、選手はより速く動かなければならず、つまり、選手たちはこれまでになかったほど良い動きができなければならないということです。
――アーサー・アッシュはかつて「テニスにおいてフット・アイ・コーディネーション(足と目の協調性)は、ハンド・アイ・コーディネーション(手と目の協調性)よりも重要だ」と話していました。なぜフット・アイ・コーディネーションが関係するのか、また、なぜそれほど重要なのかを教えてください。
大地 USTAの選手育成における指導&コーチング哲学は、元世界6位のホセ・ヒゲラス(スペイン)が発展させたものです。彼はテニスのプレーは次の順番で行われると言います。 最初に「頭脳と目」、次に「足」、そして最後に「手」。つまり、選手は手を使ってボールを打つ前に、足を使って動かなければならないのです。そして足を動かす前に、ボールが来ると目や頭脳で判断を下すのです。
自分の視界の先に
ボールと相手が入ったときに
この認識が始まる
みなさんは向かってくるボールについて、できるだけ早く、なるべくすべての情報を認識するように努めることです。自分の視界の先にボールと相手が入ったときにこの認識が始まるのです。
| 練 習 | やってみよう!
スピードアップのための
具体的な情報認識
❶相手の身体を見る
最初はまず相手の身体を見ましょう。バランスを崩していないか? もし崩しているなら、後方、あるいは横方向に身体が傾いているのか? 相手はポジションに入るのが遅れているのか、ちょうどいいタイミングなのか、早過ぎるのか? そしてラケットや腕はボールの来るタイミングに間に合うのか?
❷ コンタクトポイントでの相手の腕と手首を見る
2番目、コンタクトポイントでの相手の腕と手首を見ることです。ラケットが回転しているか、あるいはインパクトの瞬間に手が回転しているか? 高さや身体との距離という点で自分の「ストライクゾーン」の外でボールをとらえているか? ラケット面はコンタクトポイントで垂直か、あるいは後方に傾いているのか? ショット音は、しっかり打ったときの音になっているか?
❸ ボールが相手のラケットを離れる瞬間を注意深く観察する
3番目は、ボールが相手のラケットを離れる瞬間を注意深く観察することです。ボールが向かうだいたいの方向、おおよそのスピード、狙っている深さ。ボールにどれくらいのトップスピン、あるいはスライスがかかっているのか? このショットに対して風がどの程度影響するのか? これらを観察して、追いつくのに十分なスピードで走りましょう。つまり、ダッシュするときもあれば、適度に速く走ることもあり、ゆっくり走ることもあるでしょう。
❹ ボールがどのように弾むのか注意深く観察する
4番目、ボールがどのように弾むのかを注意深く観察しましょう。どのように弾むかは、ある程度予想できると思いますが、最初の判断は時折少し間違えてしまうものです。そんなときはフットワークかスイングで再度調整すればよいでしょう。 エリート選手はボールがどこに来るかというヒントを見つけるのが非常にうまいです。困難な状況でも、ほとんどの場面で正しく予測できる能力を持っています。この予測する能力は何年もかけた厳しいトレーニングと経験の賜物です。だからこそ、アーサー・アッシュの言葉は筋が通るのです。フット・アイ・コーディネーション(足と目の協調性)はハンド・アイ・コーディネーション(手と目の協調性)より大事なのです。
ボールが相手のラケットを離れる瞬間を注意深く観察
Pick up
-
2024-02-20
最先端のテニスコーナーにテニマガ編集部が潜入!
オーストラリアン・オープンのオフィシャルストリンガーブース
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2024-03-26
【ITテニスリーグ】アーシャルデザインが史上初、3連覇の快挙!
ITスポーツ連盟が主催する「第26回ITテニスリーグ」が3月
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Related
Pick up
-
2024-02-20
最先端のテニスコーナーにテニマガ編集部が潜入!
オーストラリアン・オープンのオフィシャルストリンガーブース
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2024-03-26
【ITテニスリーグ】アーシャルデザインが史上初、3連覇の快挙!
ITスポーツ連盟が主催する「第26回ITテニスリーグ」が3月
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Ranking of articles
-
2024-04-12
大坂なおみが相手エースのプティンセバを倒して日本が初のファイナルズ進出に王手 [ビリージーンキングカップ日本対カザフスタン]
-
2024-04-13
青山修子/柴原瑛菜が代表戦9試合目で初黒星、日本は3勝1敗でカザフスタンに勝利 [ビリージーンキングカップ日本対カザフスタン]
-
2024-04-12
大会4日目が終了、男女のファイナリストが出揃う [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-11
大会3日目が終了、男子のベスト4が出揃う [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-14
18歳の石井さやかがITFツアー初優勝、プロ転向後の初タイトルを獲得 [W35富士薬品セイムス ウィメンズカップ]