中高生プレーヤーの悩みを解決! トッププレーヤーに聞く「Q&A 22」

【メンタル編】

プロに質問 06|対戦相手のレベルで調子の波が出る

「自分よりも上、もしくはぎりぎり倒せるかの相手と戦うときは、『やってやる!』という気持ちのほうが上回って、緊張も薄れて調子がよくなることが多いのですが、同じレベルや倒せる可能性が高いときは緊張が高まって、うまく調子を上げることができません」(女性/高2)

僕がお答えします!
江原弘泰(イカイ)

「試合前に起こりうることを想定して、気持ちの準備をしておく」

 試合前に試合で起こりうることを想定しておくとよいと思います。しっかりとシミュレーションができていれば、想定内ということで少なからず対処できるはずです。自分の理想と現実が離れすぎていると緊張が大きくなったり、イライラしたりするので、試合前にある程度、こういうことになるだろう、なるかもしれない、とイメージをいくつかつくっておくことも大事です。そして、そうなったときはこうしよう、ああしようと、自分の対処の仕方を考えておくことです。

 相手のレベルに関してですが、例えば相手のレベルが低くても「相手はノンプレッシャーで全力で向かってくるから序盤は自分も硬くなってしまうかもしれない」「相手が絶好調で途中まで競り合うかもしれない」などと想定しておけば、いざそうなったときにも想定内のこと、と落ち着いて戦うことができます。

 同じレベルだからといって競り合いになるとは限らず、どちらかの一方的な展開になるかもしれません。そのときも想定内とばかりに落ちついて、やるべきことをやるまでです。

 試合前にネガティブなことを考えるのは決して悪いことではありません。準備という点で大事なことだと僕は思います。それは相手のレベルに限らず、雨や風、コートなど、環境面についても言えることだと思います。

プロに質問07|緊張のほぐし方

「試合前に緊張をほぐすためにしていることはありますか?」(男性/高2)

「緊張したとき、どうすれば緊張がほぐれますか?」(女性/中2)

僕がお答えします!
片山 翔プロ (伊予銀行)

「緊張している自分を認めて受け入れること」

 緊張がほぐれることは絶対にないと思います。僕が瞑想の先生に教わったのは、緊張している自分に対して「緊張するな」と言うと、身体の中で摩擦が起きてしまうということ。自分というものを「身体の自分」と「魂の自分」に分けると、緊張しているのは「身体の自分」であって、「魂の自分」は緊張していないそうです。

 ですから、大切なのは「魂の自分」が緊張している「身体の自分」をしっかりと認めてあげることで、その上で「それでも自分は戦うんだ、やるんだ」と言い聞かせることがよいそうです。「なんでこんなに緊張するんだ」「緊張しすぎてダメだ」と思うのは、「身体の自分」を認めていない、受け入れていない状態。緊張をほぐそうとは思わず、「自分は無茶苦茶、緊張しているぞ!」と認めたほうが戦いやすくなると思います。

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